2001年4月15日

国宝・醍醐寺展』鑑賞記

俵屋宗達作『舞楽図屏風』

先週のことになりますが、東京国立博物館平成館にて開催中の「国宝醍醐寺展
を拝見してまいりました。一寺院としてだから……と言う先入観は脆くも崩れ、
一個所のみの展覧会としては、あの「皇室の名宝」展すら凌ぐ、一大超絶展示
でございました。

展示は、国宝11点、重文73点を含む110点……その殆どが書画や仏像だ
ろうと思っていましたが、それにしてもレヴェルが高い。

自分はスノッブですから、展覧会の規模を計るときに「美術品」そのものよりも、
協賛企業、保険会社、運送会社の名前で判断します。
ワシントン・D・C・ナショナルギャラリー展のときは、ロイズ保険組合が参与
しており、その規模に卒倒しそうに為りました……確かに凄いものばかり……
良く貸してくれたなぁ……と思いましたが、今回は国内の展示にしては、「NTT
グループ」と言う凄いところが加わったのですよ……。

前置きが長くなりましたから、まずは「本館展示」に……

「平成館からでは?」と言う方……まだまだ東博マニヤへの道は遠いですぞ(笑)

「東京国立博物館」=東博の奥義は、「特別展」開催時の「本館展示」にアリ!
(密教)

何にも開催されていないときに、本館に行っても案外と肩透かしを食らうものな
んです。こうした「客寄せ」の「特別展」のときこそ、本館は気合を入れた展示
をするんです。

まずは……今回は、「仏教美術」が特別展ですから、観るポイントも絞られてき
ます。特に重視するのが、仏像&仏画ですね(キッパリ)
そこで、仏教美術が展示されている二階の11室に上がって貰いましょう。
順路として最初に用意されたのがこの部屋なので迷うことは無いと思います(^^;;

★国宝 慧文大師像 1幅 平安時代・11世紀 兵庫・一乗寺蔵
☆重文 両界曼荼羅図 2幅 鎌倉時代・14世紀 東京・寛永寺蔵
☆重文 仏涅槃図 1幅 平安時代・12世紀 奈良・新薬師寺蔵
☆重文 不動明王像 1幅 平安時代・12世紀 愛知・甚目寺蔵
☆重文 大威徳明王像 1幅 平安時代・12世紀 奈良・談山神社蔵
☆重文 後白河法皇像 1幅 鎌倉時代・13世紀 京都・妙法院蔵
☆重文 仏国国師(高峰顕日)像 1幅 自賛 鎌倉時代・14世紀 栃木・雲巌寺蔵
☆重文 復庵禅師像 1幅 鎌倉時代・13世紀 茨城・法雲寺蔵
☆重文 日月山水図屏風 2隻 室町時代・16世紀
☆重文 法然上人伝絵巻 1巻 鎌倉時代・14世紀 奈良・当麻寺奥院蔵
☆重文 星光寺縁起絵巻 1巻 伝土佐光信筆 室町時代・15世紀
☆重文 山王霊験記 1巻 鎌倉時代・弘安11年(1288) 静岡・日枝神社蔵

以下………★は国宝、☆は重文


ひええぇ………って為りませんか?(^^ゞ自分はぶっ飛びましたよん。
だって、「東京国立博物館蔵」が、このうち2点しか無いのです。
東博は、国宝&重文合せて1000点以上保有していますが………それでも
この借り出し数は尋常ではありません。

ところが、いつも楽しみにしている18室(明治時代の絵画)が今回は明らかに
手抜きなんです。(爆)<マニヤのチェックは厳しい(笑)

本館から平成館に通路が出来ていたのですねぇ。これは知らなかった(^^;;
でも、黒のレース状のカーテン越しに見える桜の奇麗な事!
これは、花見の際の隠れポイントかもしれません。(飲食不可ですが……)
尚、構内であれば、そっとビールを呑む位だったらお咎め無しだと思います。

平成館に行って、まあ………ビックリ!客足が鈍い(^^;;
西洋美術館でルネッサンス展に呑み込まれているんだろうなぁ……そのせいも
あって、押すな押すなではなく、割とゆったりと鑑賞することが出来て眼福、
眼福!\(^0^)/

展示として眼を惹いたのが、★『閻魔天像』牛さんに乗った(この牛さんが可
愛いのよ(^^))閻魔天の何と「穏やかな(^^?」こと………

そして、反対側の壁面には極彩色で彩られた明王、天部の神様がズラリ。これ
が全然色褪せていないから驚き!普通、平安〜鎌倉期の絵って、色落ちが激し
いものなんですが、クッキリ・ハッキリ………紅蓮の炎をバックに手足を動か
している御姿は、名実共に「炎の舞ひ」(*^_^*)(ポッ)下手なミュージカルシ
ーンを観ているより、ズッと踊りたくなるから不思議(変?)
そして、大元帥法(真言密教における門外不出の秘法)に使う☆『大元帥明王像』
の脇者は劇画タッチでやたらとポップ!<仏敵(--メ)

☆『毘沙門天像』は、何か御顔がふくよかなんですが……ダイエットしてくれ
るとかなりの男前!そして☆『五秘密像』は、煩悩と菩提が一緒になっている
絵なんで、はじめて観た人は絶対に鎌倉時代の作品と言っても信じてくれな
いこと請け合い!その位「現代的な絵」なんです。

経文の類では★『平家納経』に匹敵するお宝★『絵因果経』(絵巻ですねぇ)
絵画のほうでは、帝都の烏襲来を預言した?(笑)『松檜群鴉図屏風』(江戸
時代)……これは、絶対に展示する側も狙ったに違いない(笑)
そして………ここにも飾った俵屋宗達作☆『舞楽図屏風』これは凄かった!
ポップ・アートですもの。軽いんですが……かと言って隙が無い絵なんです。

仏像に関しても凄いですよん。御本尊の★『薬師如来座像および両脇侍像』
何を考えているのかが読めない(笑)☆『如意輪観音菩薩座像』……
ちょっと、怖いマダム化している(笑)☆『吉祥天立像』今迄で観た一番奇麗な
お地蔵さんだと思いました。☆『地蔵菩薩立像』

1300円の入場料のモトは簡単にとれます!是非、御一見を(^^)/~

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