(笑)『ジェフリー』

この映画を初めて観たのが、確か1993年の東京国際ゲイ&レズビアンフィ
ルム・フェスティヴァルだった筈ですが、その時の正直な感想を書けば「ハッ
キリ言って出来が悪い映画」だったのです。今回再見してみても、幾つか光る
場面があるのですが、「おふざけ」が過ぎると言うか………ゲイ以外の一般観
客を対象にして居ないのでは無いか?と言うのが本音。

俳優志願のジェフリー(ステーヴィン・ウェーバー様)は、エイズ禍を怖れて
セックス断ちを決意した………何かセックス以外の楽しみを見つけようとジム
通いをはじめたが、ここで彼にとって理想の男スティーヴ(マイケル・T・
ワイス様)と出会ってしまう。誘惑されてキスを受け求愛されるが、実は彼は
HIVポジティヴだった。ところが廻りはスティーヴは最高の男だから付き合
えと矢の催促(ぼくだって、そーう言います(断言)さあ、悩めるジェフリー
の選んだ結論とは………。

ジェフリーにはセックス・アピールを感じないのですが、ことスティーヴは、
多分100人のゲイが居たならば、90人は彼と寝たい!と思うほどのナイス
ガイなんですね。この映画の骨格がグラついているにも係わらず、何とか観れ
るのはスティーヴ役を演じたマイケル・T・ワイス様の魅力に尽きます!

それに、脇を彩る配役陣も豪華です。ジェフリーが危機に瀕したときに、何故
か登場するマザー・テレサ役には、オリンピア・デュカキス様、ミュージカル
の中に「神」の存在を感じる神父には、『バードゲージ』のネイサン・レイン様
そして、TV伝道師として過激な言動を吐きまくるのが、シガニー・ウィーヴァー
様と本当にスター揃いですが………「活かしているか?」と言えば否なんですよ。

確かに「愛」はセックスだけでは無いんだよ………と言う主張は分かるのですが、
エイズとの格闘物語だったら『ロングタイム・コンパニオン』が白眉の出来です
し、HIVポジティヴとの恋愛物でしたら先日御紹介した『カーテンコール』の
方が「一般受け」するだけの普遍性を持たせているのです。

幾つか光るセリフはあるのに、その余韻を残さないままに次に行ってしまうし、
場面転換を章毎に区切る展開も成功しているとは言い難い作品でしたねぇ……。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年1月24日ビデオにて鑑賞)

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