(縁)『カランとアルジュン』(2回目)

もう一度観たいと切望していた映画を一年ぶりに再見することが出来ました。
と……言うのは、印度センター配給の為、映倫の審査を通っているのかどうか
定かでは無いのですね。もし、通ったとしてもR指定になるでしょう。(^^ゞ

この映画の粗筋については、一回目の感想に書いたので省略します。


(映画の核心に大幅に触れています)








二度目観直してみて思ったのですが、やはり完成度が極めて高いのですね。
『ボンベイ』は二度目観直すと演出の荒さが目立ちますが、これは違います。
むしろ、伏線の張り方の上手さに唸ること多数なんですよ……

転生したカラン役のサルマン・カーン様(それにしても、この兄弟どちらが兄
なのだろうか?双子にしてもどちらかはあると思うのですが(^^ゞ)が、ボクシ
ングの八百長を挑む相手がラストに出てきて一騎討ちをするところには、一度
目はひたすら凄いとだけ思ったのですが、その細かさに更に驚きました。

そして、圧巻は二人がそれぞれに思い出す前世でのフラッシュ・バックの巧み
さ。完全な白黒では無く、セピア調の色合いを微かに残し、マカロニ・ウェス
タン物に出てきそうな絵柄を出しております。

更に重要なのが、この二人の「フラッシュ・バック」が引き起こされる過程が
まるで違うことなんですね……。

割と平和志向のアルジュン(シャー・ルーク・カーン様)は、両親を失ったが、
父の親友の農場で愛を注がされながら育ってきた……その為、「夢」で見るこ
とが多いし、それをすんなりと受け入れる性格なんです。

戦闘的な性格のカランは、自分の生に因って難産だった母親が死に、父もそれ
もあってか酒びたりな荒んだ日々を送ってきた。常に「自分」を確立して置か
ねば生きて行けない性格が形成されていたのですね。
ですから……カランにとってのフラッシュ・バックは「戦闘」に因って引き起
こされるのです。そして、現実主義的なカランは、アルジュンの説明を中々受
け入れられずにいるんですね。

そして、アムリーシュ・プーリー閣下による極悪非道な当主!\(^0^)/

まあ、凄いですわぁ……流石は天下一品。どうみても………『DDLJ』の父
親と同一人物とは思えない(笑)
しかも………乗馬靴が異常に似合うんです。これだけ気障ったらしい衣装だと
普通は「服に負ける」のですが……流石は閣下。着こなしていらっしゃる。

そして、「舞ひ」に二重三重の「意味を持たせている」……これは前回の感想
では触れなかったことですが、武器奪還の時に美女を招いて酒宴を催し、その
隙に武器を持ち出すというシーンなのですね。

これって………ありそうで無かったシーンなんですね。あくまでも「歌」と
「舞ひ」は、キャラクターの「恋の歌」だったり、『ボンベイ』では「歌」の
方に暴動で起きた流血の哀しみを持たせておりますが………。

前半は、シャー・ルーク・カーン様に魅力を感じ、後半ではサルマン・カーン様
に華を持たせている………本当に隙が無い第一級の娯楽映画です。\(^0^)/

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(12月18日キネカ大森にて鑑賞)

BGM:OST:『KARAN&ARJUN』より『Jai Maa Kali』

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