(光)『シン・レッド・ライン』(3回目)

皆様、再び今晩は。大倉です。

3. 「浄土思想」について……ウィット君の魂(菩薩説)


(今更ながら改行)







実は、3度目の出会いでは、僕が特にその時に気を付けていたポイントがある
のです。

1.ウィット君の認識票は何故1枚なのか?
2.ウィット君は、映画の中で銃を発射したのか?

1と2に何故拘ったかと言えば、認識票は2枚一組では無いですか……。
それが他の人は二枚見える様に表示されているのに、ウィット君だけは一枚に
しか見えなかった事と……普段は必ず背中に隠してあるのですね。

これは「無縁」と言うことの象徴だと思ったのですが……。
「無縁」とは、俗界の支配を離れ、自由になること……但し、何処で死のうが
構ってくれませんが……。でも、ウィット君とウェルシュ様は、僕には「無縁」
の「自由の民」だったと思うのです。

何故かと言えば、ウィット君もウェルシュ曹長も、C中隊を離れようと思えば
離れられるのに、わざわざウィット君は己の命を危険に犯してまでC中隊に
戻ろうとしているのです……「軍隊」に縛られているのでは無く、「仲間」の
為に此処に居る存在なのですね。

2の件ですが……確かに僕の願いと反して、一度日本兵を撃っております……
相手が撃ってきたからですが……。

この時には、何もモノローグが入りません。

逆に、僕はこれで救われた気分になりました……「菩提心」を豊富に持ってい
る人でも……幾ら殺したく無くても殺してしまうのは「因縁」があるからだ……
と親鸞上人は語っておりましたが……もし、戦地で止むを得ず相手を撃ってし
まった兵士が、その罪故に浄土に行けなければ何の価値が在るでしょうか?

「悪人正機説」の神髄を感じた気がしたのです……。何の苦労もせずにやすや
すと善人が往生できるのであれば、戦地にて殺してしまい罪の意識に覆われて
いる「悪人」こそが往生(つまり、極楽浄土に行く)出来ない訳はないだろう
……と。

戦地にて敵兵を撃ってしまうしか方法が無ければ、僕だって殺します。
ただ、鎌倉の世でも……現代でも「戦争」なり、「殺人」は起こっていたので
す……正に「地獄絵図」……

そんな最中でも、ウィット君は全ての物(者)に慈悲を注いでいたのだと僕は
思います。

僕がウィット君を観ていて、心が癒されるのは、何処に行っても彼は「ほとけの顔」
なのです……僕的には、この映画の中には「浄土思想」の神髄を感じたのです。
僕が敢えて「菩薩」と書いたのは、ウィット君は阿弥陀如来の以前の姿である
「法蔵菩薩」では無いかと僕は思ったのですね……。
実は、この「法蔵」は誰のこころの中にも宿っていて……それが、顕に為ると
きに魂が動かされる(?)(違うのかな……(^^ゞ)
例えば、ウェルッシュ様がテラノ君が撃たれた時、死を覚悟してモルヒネを渡
しますよね……。その時のウェルシュ様の顔が正に「ほとけの顔」なんですね
……(僕的には)この時に撃たれたのであれば間違いなく往生出来ます(^^ゞ
許してね>ウェルシュ曹長

だから、御互いの「ほとけ」の存在を感じた時、人は幸せな気分になるのでは
と僕は思ったのですね……でも、凄いのがウィット君なのです。
いつでも、どこでも……「ほとけの顔」悲しむときも、喜ぶときも、「ほとけ
の顔」なんですね……。

ウェルシュ様とウィット君の最後の会話……覚えていらっしゃいますか?

「曹長殿にも光はあります」

実は、ご存知だと思いますが……m(_ _)m
「阿弥陀」とは梵語にて「Amitabaha」でして……無量寿の時間……永劫なるも
のなんですね。もう一つは、無量光……ことごとく総てを照らす光のことなん
です。

そして、最後のモノローグでは、ウェルシュ曹長のヴォイスオーバーが入り、
次いでは、島に遺してきたスタロス大尉の部下への「想い」であり、そして総
てを受け入れて「阿弥陀」として永遠に生き続けるウィット君の「魂」なので
す。そして、「凡夫」の代表としてドールくんが島を見つめている……それは、
HPでも語られていたことですが、再度、考えると感無量の思いに満たされま
す。(僕としては……)

まあ、そう考えたのも……「南無阿弥陀仏」と唱名をしている兵士がいて……
何故「南無妙法蓮華経」と言う唱題では無かったのか?から来たものですが……
別に日蓮宗を貶めている訳では有りませんし、基督教の教えが間違っていると
は思いたく有りません。いかなる教えや、生き方にしても「光」はあると僕は
信じております。

ただ、僕は「浄土思想」……つまり、その裏返しとして「この世は楽園は
無い」の裏返しと感じたのです。それ故に、「魂」は救われるのだと……。
少なくとも僕はそれを感じ救われた気分になりました……でも、撃たれて
死ぬのは嫌だなぁ……それにやはり、「死」は怖いですよ……。
腐れ外道の僕ですら……誰かに見取られて死にたいです……(涙)

「大河浪漫を愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)

BGM:OST『シン・レッド・ライン』

尚、これを纏めるに当たっては、『シン・レッド・ライン』HPに書き込ま
れた皆様の書き込みがあってのことです。この場を借りて御礼申し上げます。
有り難う御座いました。m(_ _)m

http://www.edit.ne.jp/~bouze/TRL/index.html
(『シン・レッド・ライン』HP)


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