生涯のベスト10+1

偉そうな事を書いたのですが、10歳の時から映画を観はじめて、3000本位は観て来たでしょうか。その中から極私的ベスト10を選出してみたのがこの結果です。(順不同)

『シン・レッド・ライン』

余りに思い入れが強く別のコーナーに致しました。

『ディア・ハンター』


ベトナム戦争に関しての描写が、ちょっと首を傾げるところは有るが、
それでも三人のそれぞれの「心の痛み」を思う度に涙すら出ない悲
痛な気持ちになる。
一回観てしまうと、『ワンス・アポン・イン・タイム・アメリカ』と
同じく、打ちのめされて5時間は放心状態に陥る作品です。


『ジュリア』


ナチス・ドイツが如何に成立したか。その欧州の「空気」を数枚の
写真と、ほんの数シーンだけで捉えてしまった凄い映画です。
それと、「人が住んでいる所の寒さ」を、パリ発の夜行列車が発車
するシーンの描写。オープニングに示した湖に浮かぶ小船のみで
切り取ってしまったのは、正に圧巻。
「女性映画」として紹介されてきましたが、決して観る人を選ばない
畢生の名作です。


『ワンス・アポン・イン・タイム・アメリカ』


禁酒法時代から現代迄の「裏社会」でしか生きられなかった男達
への鎮魂歌。此れほど迄に、「男と女」の生き様を描いた映画を
僕は知りません。


『危険な関係』


これは、もう絢爛豪華の一言。仏蘭西革命前夜、パリ表社交界で
繰り広げられた、一大陰謀絵巻。
アンモラルの極致の中にこそ、実は秘められた「品」があるのだと
実感致します。矢張り、200年読み継がれた「古典」の凄み。


敢えて、亜細亜圏の映画から二本選出してみました。


『さらば我が愛・覇王別姫』


1920年から1970年迄の中国現代史を背景にして、京劇『覇王
別姫』をモチーフにして描かれる一大叙事詩。取り分け文革シーン
は、人間の哀しさを出していて逸品。
あと、「舞台」に注がれる「愛」もふんだんに描き込まれており、
しばし女形役のレスリー・チェンの美しさに魅了されます。


『族譜』


これは、韓国映画の中でも屈指の一本です。
故、梶山 季之先生の小説『李朝残影』の中に収められた短編小説
を原作としております。
御存知無い方もいらっしゃると思いますので、簡単に紹介致しますと、
「族譜」とは、一族の先祖の名を記した韓国特有の家系図であり、
日本支配下に行われた「創氏改名」(韓国名を日本名に変える政策)
に反対した一族の悲劇を、非常に端正に、そして穏やかな哀しみと
怒りを持って描き尽くしているイム・グォンテク監督の代表作の一本
です。
僕は、これを観て人にとって「名前」とは如何に大切なものか?
を痛烈に感じとった一本です。
自主上映会&映画祭等でしか御目に掛かれぬ一本だとは思います
が、これだけは、必ず観て欲しいと思い敢えてアップ致しました。m(_)m


『心の地図』


1930年北極。一枚の地図作りに立ち会った一人のイヌイットの少年。
その一枚の地図がこの少年の運命を変えた………。
「気高さ」に於いてこの映画を凌ぐ作品に出会えたことは、僕にはあり
ません。『心の地図』と言う題名に秘められた実に残酷で、儚い人生
のタペストリー。
普通、男女間の恋愛物で泣くことは滅多に無いのですが、これは数
少ない一本です。


『キャリー』


言う迄も無く、ブライアン・デ・パルマ監督の出世作であり、スティー
ヴン・キングのデビュー作。
「サイコキシネス」(念力)を持ってしまった、一人の少女の悲劇を描
いた映画であり、オカルト物としてだけでは無く、青春映画としても
屈指の一本。ジョン・トラヴォルタが若いのですねぇ。彼も僕も歳を取
ったなぁ……。


『ブラッド・イン・ブラッド・アウト』


監督は、『愛と青春の旅立ち』、『黙秘』、『ディアボロス・悪魔
の扉』のティラー・ハックフォード。
その彼が、今迄の作風をガラリと変えた、ターニング・ポイント的な
一本。
イーストLAに住んでいる3人のメキシコ系アメリカ人。
ある事件を切っ掛けに、それぞれが決して交差する事の無い人生を
歩んで行くと言う、一大叙事詩。


『わが心のボルティモア』


『レインマン』の方が、遥かに有名なバリー・レヴィンソン監督です
が、僕の思い込み度から言えば、これが彼の作品の中で最も好きな
一本です。
1914年東欧から、新大陸アメリカに渡った一人の移民。
彼が見たアメリカは、見たことも無い夢の様な国だった………。
その彼(監督の祖父をモデルとしている)の回想を織り交ぜて描かれる
現代アメリカ年代記。
冒頭のシーンとラストシーンが、同じであるが、そこに含まれていた
意味が此処まで違っていたと言う深み。

皆様は、ベスト10として何を選ばれますか?

 

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