(夢)『父親たちの星条旗』(2回目の鑑賞)

皆様、お今晩は。本日『父親たちの星条旗』の吹替版
を鑑賞して参りました。吹替えだと声で誰が喋っている
のかが耳で判別出来て中々便利なことを発見したりして
おります(^^;

さて、映画の感想に入る前に一言。今回のパンフレット
は非常に良く出来ています。とりわけ、映画伝道師の
佐藤睦雄先生が書かれた「登場人物紹介」は原作を読ん
でいない人にも一発で判る親切設計。今回取り上げるの
は、帰国した3人の中の一人。ジェシー・ブラッドフォ
ードさま演じたレイニー・ギャグノンさまなんです。

実を言いますと、最初に原作並びに映画を観た時に、
自分は正直言って彼の事が余り好きではありませんで
した。ところが、原作を再読してみると、脚本家の
ポール・ハギスさまが”レイニーに託したもの”が見
えてきて、そしてジェシー・ブラッドフォードさま御
自身も「過ちを犯しがちな人間だったかもしれないけど、
彼なりのやり方で英雄でもあったんだよ。彼は戦争支援
のために自分たちがやっていることは絶対に必要なんだ
と思っていた。僕は彼を肯定的に表現したかったんだ」
と語っておられます。

今回、レイニーの視点でこの映画を観てみるとガラリと
世界観が変わるのには驚きました。

映画を観た方ならば御存知とは思いますが、アイラ・ヘ
イズ一等兵(アダム・ビーチさま)からは、完璧に無視
された存在として描かれているんですよね。
理由は数多くありますが、写真の件で自分が写されてい
る事を口止めしていたのに、それを口外された事は勿論
ですが、レイニー自身、余り同性からは支持されないタ
イプであったのと、アイラが基本的には人間嫌いの所が
あって、それが悪い形でぶつかってしまったと考えてお
ります。

で……レイニーの立場になって考えてみれば、握手を
差し出したのに、ドク・ブラッドリー(ライアン・フィ
リップさま)にはして貰えて、自分は無視される。
更に国債発行の件で御偉いさんの部屋に招かれても、
アイラは自分とドクの分のお酒だけは用意しているの
に自分の分は無いので、自分で酒を取りに行くと言う
シーンがありましたが、実際にやられてみればかなり
辛い事ですよ。これって……。

史実上では、レイニーとアイラが「和解」したのは、皮
肉にもアイラの死後でして、葬儀にはドクは行けなかっ
たのですが、レイニーは参列しております。
そして記者にアイラの事を聞かれて、こう答えています。
「彼はいつかインディアンは白人と同じようになって
合衆国じゅうを歩きまわれるようになるだろうという
小さな夢を心に抱いていましたよ」(『硫黄島の星条旗』
543頁より引用)

ところが、映画の中ではアイラとレイニーが生前は果た
す事が出来なかった「和解」をさせているんですよね。
アイラが国債ツアーから放逐され、部隊に戻る際にレイ
ニーが差し出した握手にアイラが答え、レイニーも「元
気でな」と声を掛ける……。

一度目では泣けなかったシーンでありますが、二回目は
殆ど号泣状態でした。

もう一つの脚色箇所は、レイニーが壇上で、「自分は伝
令で何もしていません。本当の英雄は硫黄島に行って戻
ってこなかった兵士です」と語らせる場面なんですが、
原作をお読みの方ならば直ぐに判る台詞なんですけれど
も、これはドク・ブラッドリーが、幼かった原作者、
ジェイムズ・ブラッドリーに語った言葉なんです。

脚色を担当されたポール・ハギスさまが、お世辞にも人
生の後半は幸せでは無かったレイニーの為にそっと花束
を捧げている気がしたんですね。

唯一脚色していないのは「悪妻」ポーリンの件。これは
大丈夫か?!って位にボロクソに描かれていますねぇ。
レイニーも、こんな女と出会っていなければ、もう少し
マトモな人生を歩めたかも知れません。

第二回目は、これにて筆を置きます。第三回はドク・
ブラッドリーに焦点を当てて鑑賞し、書き上げたいと
考えております。

と言うことで、次回に続く……

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年11月3日 ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて吹替版鑑賞)

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第2部『硫黄島からの手紙』(第1回〜清水編に行く)

第2部『硫黄島からの手紙』(第2回〜伊藤編に行く)

第2部『硫黄島からの手紙』(第3回〜バロン西編に行く)

第2部『硫黄島からの手紙』(第4回〜栗林中将編に行く)

第2部『硫黄島からの手紙』(第5回〜西郷編に行く)

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